概要:PCで無料のサンプリング楽器音を使うのが目的です。
てきとーなDAW(ここではREAPER(リーパー))にサウンドフォント・プレイヤーのVSTを導入して、サウンドフォントファイルを読み込ませるという記事です。

以下詳細スタート

サウンドフォントのファイルを入手

サウンドフォントというのは、ナニカの音をデジタル録音したファイルを規則に沿って並べて楽器として使えるようにしたものです。

正体は普通の音声ファイルなのでバラしてサンプラーで鳴らすこともできます。

サウンドフォントプレイヤーとサンプラーは親戚みたいなものというか、VCA・VCFやフォルマント等のフィルター付きだとシンセとの境界もぼやけますし、たまたまsfz規格で使うけどどーにでもできるというゆるいスタンスでいいと思います。

フォーマットが何種類かあって目移りしますが、解凍後の拡張子が .sfz.sf2 になっているのをググってダウンロードすればOK。思考停止してDLDLDLDL…という感じで。

配布されている数が多いだけにハズレも多いので当方のオススメを並べておきます。

    • GM音源「🔗EmuAPS_8MB.sf2」 楽器128種+ドラム8種。たった8MBの超軽量とは思えぬ音がすることで有名。曲のスケッチはこれだけあればいい気がする。
        ※ 同サイズ帯の後継(?)に「sYnerGi-8Mb.sf2」「Chaos Bank V1.9 (12Mb).sf2」などがあるがむしろ劣化している気がするので私は使っていません。
    • もう少し大きめの「🔗GeneralUser GS v1.471.sf2」(30MB)も扱いやすい。こざっぱりしていてまとめやすい感じ。EmuAPS_8MB.sf2 と比べるだけでも音量や出音の違いでsfzの闇が見えてくると思います。
        ※ 時代とともにサイズが肥大化した「🔗Fluid R3 GM SoundFont」「Timbres Of Heaven」「SGM-V2.01.sf2」「🔗OmegaGMGS2.sf2」「Titanic_200_GMGS_1.2.sf2」等も一応確保すると安心。内部の使用素材がかぶっているので全部集めても出番がないのでほどほどに。
    • ピアノ「🔗Yamaha Disklavier Pro Grand Piano」(113MB、5ヴェロシティーレイヤー)、「🔗Salamander Grand Piano」(1.1GB 16 ヴェロシティーレイヤー)。※CC3ライセンスなので使ったら使用楽器にお名前を載せるのを忘れないようにしないと。
    • 12弦ギター「🔗FreeDrumKits.net – 12-string.sf2」← 2ヴェロシティーレイヤーしかないのですが、個人的にかなり気に入ってます。同サイト内に多数あるので好きな楽器をDL。
    • ギター「🔗Seagull Steel-String Acoustic Guitar」(154MB、4 ヴェロシティーレイヤー)、🔗FlameStudiosの「FS Collection」から詰め合わせを上から三つ。(ギター系はファイルサイズ200MB前後、4 ヴェロシティーレイヤーで、Vel45以下がミュート音に割り当てという仕様でした。) 🔗Karoryfer Lecolds というサイトには4レイヤー4ラウンドロビン前後の音源が多数ありますので片っ端からダウンロード。このサイト Karotyfer には sforzando というプレイヤー専用のもあり、その場合は拡張子 .xml のファイルを sforzando の画面にドラッグ&ドロップして読み込ませます。「🔗Studio FG460s II Pro Guitar Pack」(29MB、1~12ヴェロシティーレイヤー、64音色)小さめのファイルサイズなのにスクラッチやボディ叩きその他も収録されかなり多彩。全体的に弦高が低めっぽくピンチ奏法でもしたように聞こえるレイヤーもありますが、フレットのビビリがギターらしさを激しく主張してくれます。(※リンク先のPOLYPHONEというサイトへの会員登録が面倒な場合は「🔗FLSTUDIO MUSIC 49 free guitar soundfonts」の詰め合わせの中に同じ sf2 が入っていましたのでそちらをダウンロード。これに限らず初出が古いものはオリジナルのファイルの配布元が消滅していたり著作権者も分からないのが多いです。)
        ※ディストーション系のギターが欲しければ最初から歪んだサンプルを使うのではなく、クリアなギターをDAWのFXエフェクターで歪ませて使った方が表現力があります。
    • パーカッション「🔗SCC Taiko Drums」(40MB)少ないがレイヤーとラウンドロビンありなので強弱をつけて鍵盤を適当に叩くだけでそれっぽくなります。

備考:オーケストラ系に手を出すなら「🔗VST4Free版のVSCO2」(計約2GB)というアーティキュレーション機能(MIDIノートナンバーで演奏法を指定してそれに応じた出音に変える)付きのロムプラーVSTと一緒になったシリーズがあるのでそちらを視野に入れるほうがオススメ。
同内容のsfz版もあるのでそちらもDLはしておくとしても、奏法切り替えが楽なVST版がお手軽です。(VSCO2無料版のその他のフォーマットはこちら→ 🔗VSCO2 COMMUNITY Ed.)
他には「Sonatina Symphonic Orchestra」を収めた「🔗bigcat Instruments」もあります。

途中でVSTへ話が逸れましたが、今回はGM配列で楽器をぎっしり詰め合わせた汎用のサウンドフォントと、メインで使いたい楽器の高音質の単品を確保できれば良いと思います。
ググって集めていると本当にキリがないし、シンセ系の音は自分で作ったほうが好いと思うので収集は任意で。

なお、自分でフォントファイルを改造したり組んだりするのは 🔗 Viena というフリーソフトのエディタで可能です。(他に、🔗 POLYPHONE というエディタも使ってみましたがいまいちでした。)
けっこう面倒ですが既存のフォントにフレットノイズを付与するなどの改造から始めたら楽しかったです。

サウンドフォントのプレイヤー ソフトウェアを入手

拡張子.sfz や .sf2 の付いたファイルを楽器として鳴らすための無料プレイヤーをダウンロードしましょう。

フリーソフトでマルチティンバー対応でエンベロープもいじれる高機能タイプでは🔗Phenome、🔗TX16Wx、sfz+などがあります。
シンプルな単楽器再生タイプでは 🔗sfz、🔗sforzando、🔗Zampler、🔗DSK SF2 – v2、🔗Soundfont Enhancerなど。(一覧表を後述。)

私はインストールが必要なものは避ける主義なので、ポータブルでも使える Phenome か sfz をよく使います。

(デジタルだから同じ音が出ると思いきや製品によってなぜか出音が違います。まぁここで挙げているのは全部フリーウェアなので片っ端からダウンロードして試しましょう。64bitでなければ嫌だという人は選択肢が狭まって、TX16Wx、sforzando、Zampler がそれにあたります。)

Phenomeを使う

略語が多くて目が泳ぐので図を自作しておきました。

sfzプレイヤーPhenome の基本説明図

sfzプレイヤー Phenome の基本説明図

使うまでの手順

  1. Phenome をダウンロードして解凍し、DAW で Phenome.dll を読み込みます。
  2. 画面の左上で編集対象を選択し「EDIT」点灯状態にします。
  3. 画面右のファイラーでサウンドフォント名を選びます。
  4. バンクナンバーを選びます。通常楽器は0~。ドラムセットは128のことが多い。
  5. 音色を選びます。
  6. 音をセットできたら「Multi」→「Save Multi」をクリックして状態を保存しましょう。

メモ

  • 内蔵のエンベロープフィルターをいじるとシンセ並みにうにょんうにょんできますが、(自分の場合)生楽器の音が欲しくて使っているロムプラーで活用するかは微妙なので上図の説明では基本的にOFFにしています。
  • 画面左の中央にあるVelocityの初期値が0になっているので、右にツマミを回さないと弱く弾いても音が小さくなってくれないから注意。
  • サウンドフォントを変更するときは一度別のファイル名をクリックしてから目的のフォントを選択しなおさないと有効にならないことがあるので注意。
  • コーラスがけっこう気持ちいい。
  • リヴァーブは微妙。DAWのを使ったほうが良いと思う。
  • MIDIに問題があると稀に音が鳴りっぱなしになることがある。その時はオールノートオフを送信して停止。(REAPER では F3 キーを押す)
  • なぜかMIDI Ch16を指定すると鳴らないけど気にしない。(バグ?)

フリーのサウンドフォントプレイヤーの一覧

ソフト名 フォーマット マルチティンバー 音声出力 VCA VCF エフェクトと備考 ビット
Phenome
sf2 8 2ch x 8 オーバードライヴ、ホイールモジュレーション、アルペジエータ、コーラ
ス、テンポディレイ、リバーブ、ピッチエンベロープフィルター、ヴェロシティやノートNoによる分割レイヤーも可能。
32
TX16Wx(フリー版)TX16Wx 16~ 2chx4+1chx8 バージョン3になって機能アップした模様。バージョン2と異なりポータブルでは動かなくなったようですがこれからが楽しみです。 64
sfz+(フリー版)
sfz+
sf2. wav 16 16ch+2FX コーラス、リヴァーブ、LFO。 32
sfz
sfz
sf2 16 2ch - MODEをPR32等にしないとWin10でエラー。 32
DSK SF2 – v2
DSK SF2 v2
sf2 2ch
Mono
ディレイ、LFO。
※2outだがモノラルなので注意。
32
sforzando
sforzando
sf2. sfz 2ch リヴァーブ 64
Zampler
Zampler-RX
sfz. rx2 2ch ドライヴ、イコライザ、フェイザー、コーラス、ディレイ、リヴァーブ、LFO。
フォルダー丸互ごと抜き出しコピーでも動作は可能。この使い方では「REX Shared Library」がPC内に無い場合はその機能を使う音源は使えなくなる模様。
64
Pluggotic Stealth
Pluggotic Stealth
sf2 (2) 2ch 2OSC、シーケンサー 32
Soundfont EnhancerSoundfont Enhancer sf2 2ch Dディストーション、ワウワウ、フランジャー、トレモロ、リヴァーブ、ディレイ、イコライザー、遅延Vib、ピッチ。
※ バンク切り替えが見当たらない(?)
32
CrystalVSTi_Crystal sf2 2ch 体裁としてはシンセなのでここに入れていいのか迷いますが、オシレータとしてSF2を読み込んで使える優れもの。
手順があって、本体のあるフォルダの下に「\CrystalSoundFonts」フォルダを作成して.sf2を置くとVoiceタブのOscillatorから選択できます。シンセだけに加工の幅がものすごい。
64

(備考:TX16WxとZamplerはインストーラータイプですがフォルダ丸ごと抜き出して警告を無視すれば一応動作はします。あと、sforzandoではループポイントがおかしくなったのか音が別の楽器がごとく変になったのがありました。フォーマットになにか原因があるのかも。)

余談:

今回も説明が散漫に。文章を削ってリンクだけ並べたほうがよかったかも。

サンプラーといえばオーケストラヒットを思い出す私です。
同じ生音志向と言っても現在のように豊富なメモリを使えなかった時代は極小のPCM音源(KORG M1)LA音源(ROLAND Dシリーズ、ミュージくん)やWAVETABLE方式(ENSONIQ 、KAWAI K1など)で担っていたわけですが、いざ生楽器の音を丸ごと使えるようになるとラウンドロビンがーレイヤーがーと、別の苦労が増えるのでした。

目的が演奏じゃなく機材いじりになりやすいのは何年経っても変わらないようです。
楽器を磨くのも楽しいよねってことでよしとしよう…