SM DRUMS はフリー(無料)で公開されているヴィンテージドラムのサンプリング音声ファイルです。
幾重にも録り分けた生ドラムで構成されていますのでなかなかのボリウムです。

今回やってみた結果のテスト演奏動画はこちらです。↓(三十年前に作った自作曲のMIDIデータですみませんw ハットとか合わないので一割ほど当時の元データより変更してますが。)
このページでご紹介する SM Drums と、フリーVSTiの OB-Xd のみでのシバリプレイとなっております。

※ ここで使用したフリーのシンセVSTのOB-Xdについてはこちら(サイト内リンク)でご紹介

大元がWAVファイルなのでどの手段でも鳴らし易いのですが、今回もUSBメモリに入れてポータブル可能な環境で使いたいのでDAWREAPER 内蔵の ReaSamplOmatic5000 (以降 RS5K と略。)での再生を選択しました。

REAPER(リーパー)以外のDAWで使いたい時は、これまた無料で使えるSFZ、sforzando(スフォルツァンド)TX16Wx でも鳴らせるし、さらにはKONTAKTにも対応なされています。WAVデータ自体は共通で使い回しできてスペースの節約も可能なのでお好みの方式で試されるのも一興かと。

ダウンロード

DAWのREAPER本体はこちらからダウンロード。

RS5K 用のファイルは、SM DRUMS 公式サイトではなく REAPERのフォーラム経由で必要なファイルを揃えたほうがわかりやすいです。

REAPERのフォーラムにある該当記事 https://forum.cockos.com/showthread.php?t=150868 を開きます。

記事中の <<Reaper and RS5K>> という見出しを探します。下図参照

サイト forum.cockos.com からSMDrumsをダウンロードするリンクのキャプチャ

サイト forum.cockos.com からSMDrumsをダウンロードするリンクのキャプチャ

全部ダウンロードすると、ローカルPCのディスク上に下記の五つが揃います。

  1. SMD Cymbals Stereo (Samples).zip (内容:ハイハット等の金物のWAVファイル)
  2. SMDrum Stereo (Samples).zip (内容:キック・スネア・タムのWAVファイル)
  3. SMD_Snr_Str_HyB (Samples).zip (内容:追加のスネアのWAVファイル)
  4. SMDrums Reaper Proj files.zip  (内容:上三つを RS5K に読み込ませる設定ファイル)
  5. SMDrums RS5K Manual #2.zip (内容:RS5K用 SMDrums の英文マニュアル。)

※TX16wやsfz等他の提供方式でも同じドラムのWAV音声ファイルを使用するので、設定ファイルさえあればWAVは使いまわせます。

ここまでくれば後はダウンロードした中にある英文マニュアルの RS5K Manual #2.pdf を見ればできるはずなのですが、そういう御仁はここを見ていないはずなので説明を続けます。

セットアップ

解凍して自分のWAVファイル置き場へコピー

サンプラーで使う .wav .sfz .sf2 等の拡張子のファイルは SoundFont とか WAV とか見てわかるフォルダ名を決めて適当にまとめることになると思います。
親フォルダを新規で作って、ダウンロードしたファイルをすべて解凍します。(下図の例では SMDrums という名)

解凍したデータが親フォルダの下にありさえすれば名前や場所がばらけたり違ったりしても、初回起動時に一度このフォルダを指定すれば必要なWAVファイルをREAPERが自動検索で読み込んでくれました。

SMDrumsをダウンロードして解凍したフォルダが並ぶエクスプローラの図

SMDrumsをダウンロードして解凍したフォルダが並ぶエクスプローラの図

ファイルの大きさは総計で3.5GB弱になります。音質が良い分大きくなるのは我慢です。主にシンバルの余韻の長さで容量食ってますね。
PCのメモリが8GB以下、例えば4GBの場合は使用するファイルを減らしたプロジェクトファイルの SMDrums (1400) FX.RPP などを使用したほうがいいと思われます。

REAPERのRS5Kに読み込ませる

フォルダ名「 SM-Drums_Stereo_Reaper_RS5K_Kit 」の中に、ドラムのサンプリングデータをRS5Kに設定済みのプロジェクトファイル集やテンプレート集が収められています。

テスト例なのでメモリが少ないPCでも読み込める SMDrums (1400) FX.RPP を読み込んでみます。ファイル名のカッコ内の数字が消費するメモリの量なので、おおよそ推測が付くと思います。

メニュー → ファイル → プロジェクトを開く からでもいいしREAPERの画面へドラッグ&ドロップでも開けます。

下図のように、どう処理するか選択肢のウインドウが開きます。

プロジェクトファイル読み込み時にファイルが見つからない場合の選択画面

プロジェクトファイル読み込み時にファイルが見つからない場合の選択画面

好きな利用タイプでいいのですが、今回は「 Open Project 」でも押してみます。

「On succesful search.」にチェックを入れてSearchボタンをクリック

「On succesful search.」にチェックを入れてSearchボタンをクリック

フォルダーを選ぶウインドウ(下図)が出るので

SMDrumsを入れたフォルダを選びます

SM DRUMS を解凍したファイルを含む親フォルダを選んでOKをクリック

あとは自動で発見して読み込んでくれます。(大ざっぱに親フォルダさえ合っていれば子孫フォルダ内部を検索してくれます。)

補足:読み込み完了後に「Progect Load Warning 」というタイトルのポップアップ(下図参照)が出る場合、お使いのREAPER本体に『 SWS EXTENTION 』という無料(寄付歓迎ウェア)の便利ツール集が入っていないのが原因ですので、この機会に入れておくとよいと思います。

 

『 SWS EXTENTION 』という無料(寄付歓迎ウェア)の便利ツール集を入れていない場合は注意書きが出ます。

『 SWS EXTENTION 』という無料(寄付歓迎ウェア)の便利ツール集を入れていない場合は注意書きが出ます。

無事に読み込みが完了するとデモトラックも読み込まれているので、再生ボタンを押すだけでドラムが鳴るはずです。

メモリ不足でフル読み込みにチャレンジするとどうなるか

メモリ2GBのPCにSMDrums (1400) FX.RPP 版を読み込んだときのパフォーマンスメーター表示

メモリ2GBのPCにSMDrums (1400) FX.RPP 版を読み込んだときのパフォーマンスメーター表示

上図はメモリが2GBしかないPCに配布のテンプレの中では最も軽量な SMDrums (1400) FX.RPP 版を読み込んだ場合です。デモ演奏は正常に聞けました。メモリ2GBでDTMをやるのが無茶ですが一応テスト。

無理を承知でメモリ2GBの仮想PCに7GB必要な SMDrums (7100) FX.RPP 版を読み込むとメモリ不足の警告が・・・

メモリ不足の警告が出ている図

メモリ不足の警告が出ている図

警告のキャンセルを押してREAPERの再生ボタンを押すと・・・超スローでギクシャクと音割れしながらも鳴りましたが、実用には程遠いです。

強引に大きいサンプリングファイルを読み込んだ後の図

強引に大きいサンプリングファイルを読み込んでスワップしている図

動作は困難でも読み込むだけはできたので、一度WAVに書き出すか、大きいのを読み込んでから編集して妥協できるところまでファイル数を削るという技も使えそうですね。(簡単な削り方のコツは後述)

メモリ2GBしかないタブレットなどでどうしてもDTMをやりたい場合はメモリバカ食いのサンプラーを切り捨てて、シンセサイザーや物理モデル音源でまとめるのが常道でしょうね。

動作が確認できましたら、プロジェクトをセーブしなおしてトラックも書き出しておくとよいでしょう。次回からパス指定の手間が不要になります。

セットアップ:応用編

いつも使っている楽器配列で鳴らせるようにマッピングを変更します。

💾 dp_SMDrums_for_RS5K_change_mapping_to_GM.txt を右クリックから保存して、REAPERをインストールしたフォルダの下「 ドライブ名:\reaper.exeのあるフォルダ\Data\ix_keymaps 」へ入れます。

SMDrums の REAPERの ReaSamplOmatic5000 用の 『 SMDrums (7100) FX.RPP 』をデフォルトで入れます。

その中に「RS5K SMD」という名のトラックがあるので、FXをクリックし「 JS: MIDI Map To Key v2 [ix/MIDI_KeyMap] 」を追加。

「  Mapping File 」のリストからこのファイル(dp_SMDrums_for_RS5K_change_mapping_to_GM.txt)を選択。で完了

備考:別の方法としては、RS5K の設定を書き換えてもノートナンバーを変更できますが、ファイルの選択だけで変更できる上記の方法がおすすめです。

使わないサンプルをOFFにしてメモリ節約

機材をリストには残すけど実際には読み込ませない状態にしておく管理方法です。

総当たりで音声ファイルを入れ替え鳴らし分ける(ラウンドロビン)のバリエーションをたくさん読み込むほど高性能PCが必要になるので、妥協できるところまで減らします。

休止状態にしたいアイテムのチェックボックスを 「 Ctrl + 左クリック 」して黒くしている 動画GIF

休止状態にしたいアイテムのチェックボックスを 「 Ctrl + 左クリック 」して黒くしている 動画GIF

ポイントは Probability の設定数値が小さい順から止めるということです。そうしないとうまく振り分けされません。

それと、8分音符以下で連打される音は「同じ音で機械っぽい」とバレるので二つは残した方がいいです。
古典的な回避策として、VELOCITY(MIDIでのノートの音量)を故意に交互に変えて別のサンプリングファイルが鳴るように手動で調整する方法も覚えておくといいかもしれません。

Probability の設定数値が小さい順から止める

Probability の設定数値が小さい順から止める図

※ 公式のPDFマニュアルだと完全削除してから Probability の数値を書き換えているのですが、それだと手間が増えるので、あえて残して休止する方法でやってみました。あとで復活もしやすいですし。

この方法でプロジェクトファイル SMDrums (7100) FX.RPP を各楽器1つのみ残した場合、消費メモリが 7.1GB から 1.8GB まで減らせました。1つだけだと最早ラウンドロビンとは呼べませんけれども。

減らし方のパターン

Round-Robin というのはコンピューター関連でよく使われている単語で「総当たり」のこと。

人間が厳密に同じ音を出せるわけがないので、音楽ではリアルっぽくするために打つたびに別のサンプルを鳴らしてくれているわけですが、下図のように分けるための指定ルールがあるわけです。

音声ファイルと同じ場所でダウンロードした SM Drums のマニュアル『 RS5K Manual #2.pdf 』の8ページ、「Remove Unnecessary Kit Pieces」の通りにやればできますが、もう少し簡単にやっつけましょう…

ラウンドロビンの数とProbabilityの設定値の関係。(『RS5K Manual #2.pdf』より転載)

ラウンドロビンの数とProbabilityの設定値の関係。(『RS5K Manual #2.pdf』より転載)

表を見ると Probability 100 側が固定なのに気が付きます。『数値が少ないのから停止させれば数字をいちいち書き換えなくて済むよね?』と、ひらめいたのでソレでいきます。

ラウンドロビンの対象数を増やすように戻したいときには、再び Ctrl + 左クリックして設定を有効にすればいいだけなので復活が簡単です。(100の次は50、その次は33を有効にするという具合で。)

 

おまけ:自分用の設定ファイル

テキストファイルなのでメモ帳で開けます。
自分でさえ後からだと忘れそうなので、中に設定方法のコメントを追記してあります。

💾 MIDI Map To Key v2」用。dp_GMとSMDrumsのドラムマップ資料付きのデフォルトひな型(保存用)

💾 REAPERでSMDrumsのフルセットを読み込み、KeyMapをGMに変更する「MIDI Map To Key v2」用設定ファイル

💾 REAPERのMIDIエディターのピアノロールの Note Name 指定ファイル・GM+SMDrums用

↓ 内容です ↓

# MIDI note name map

  • 95 (Ride 2)
  • 93 (Symbal 2)
  • 91 (China)
  • 88 gs_Applause 2
  • 87 gs_ Open Surdo
  • 86 gs_Mute Surdo
  • 85 gs_Castanets
  • 84 gs_Bell Tree
  • 83 gs_Jingle Bell
  • 82 gs_Shaker
  • 81 Open Triangle
  • 80 Mute Triangle
  • 79 Open Cuica
  • 78 Mute Cuica
  • 77 Low Wood Block
  • 76 Hi Wood Block
  • 75 Claves
  • 74 Long Guiro
  • 73 Short Guiro
  • 72 Long Whistle
  • 71 Short Whistle
  • 70 Maracas
  • 69 Cabasa
  • 68 Low Agogo
  • 67 High Agogo
  • 66 Low Timbale
  • 65 High Timbale
  • 64 Low Conga
  • 63 Open Hi Conga
  • 62 Mute Hi Conga
  • 61 Low Bongo
  • 60 Hi Bongo
  • 59 ( Ride 17 )
  • 58 Vibraslap
  • 57 Crash 17
  • 56 Cowbell
  • 55 Crash 13
  • 54 Tambourine
  • 53 Ride Bel 20
  • 52 China
  • 51 Ride 20
  • 50 Tom Hi
  • 49 Crash 16
  • 48 Tom Hi
  • 47 Tom Mid
  • 46 Hat Open
  • 45 Tom Low
  • 44 Pedal Hi-Hat (Foot)
  • 43 Tom Floor
  • 42 Hat Clsd
  • 41 Snr_HyB_V4
  • 40 Snr_HyB_V1
  • 39 RmSht-HyB
  • 38 SnrHyB3
  • 37 Side Stick
  • 36 Kick
  • 35 Acoustic Bass Drum
  • 34 Hat-Foot-Open
  • 33 Crash 15
  • 32 Hat Loose
  • 31 –
  • 30 Hat-Close-Open
  • 29 Ride Bell 17
  • 28 Snr65_NR
  • 27 Ride 17
  • 26 Snr65_Reg
  • 25 Snr65_NR

注意するのは混み入ってる赤字の部分と、GM規格のドラムパーカッションのセットとかぶる 54 Tambourine と 60 Hi Bongo の間の扱い位でしょうか。

SFZ形式のGM音源ファイル等と合体させて使った場合、一般的なVSTドラムとシンバル類の割り当てがかぶります。

雑感

全体の音は1970年という感じでヘヴィメタじゃなくハードロック時代の印象。(あくまで個人的感想です。)

タムの余韻は長く叩いた後に半音近くドゥ~ムとピッチが下がるのもあるので曲を選ぶかも。デフォ設定でイコライザーとか掛けない状態だと高いタムから C3 A2 G2 E2 のピッチがはっきり聞こえて邪魔になるかもしれないのでので要注意。

ハイハットはシャリシャリしていて個人的に好み。なんか気持ちイイ。ただ、生っぽいのが仇になり手抜きするとなんか変だな~という感じになります。SMDrums のハイハットはノートの長さが再生音長に反映されるので、既存のMIDIデータを再生するときには要注意です。

同じくフリーのサンプリング系ドラムで人気のある MT PowerDrumKit2 のハイハットがちょっとチャリチャリ?ザラザラしていて、口で言うと「シ」と「チ」くらいの違いがありますね。

フリーのサンプリング系ドラムの候補として『Shino Drums』という日本の有志の方が作成したものもあったのですが、個人的な趣味に合わずちょっと使えませんでした。
金物の高音が出ていなかったのです。イメージとしては昔のラジカセの周波数帯域が近いでしょうか。なけなしのお金で18Khzや20Khzまで録音できるカセットデッキを買っていた高音厨には物足りなかったのです。
(※ 私の耳は年齢不相応でおかしいらしく、いまだにモスキート音まで聴こえますw)

あとフリーで有名なのはインストール作業が必要な物が多いのでどうしようか考え中です。ポータブルが好きなので…

 

このサイト内の関連リンク

ドラムのVST、MT Power Drum Kit 2 を Reaper で使ってみる

MT Power DrumKit 2 と Revitar 2 と REAPER 内蔵のエフェクトのみで鳴らしてみた

MT Power DrumKit 2 と REAPER だけで3ピースバンドっぽくしてみたサンプル