フリーで評判のよいドラムのVSTである「MT Power DrumKit 2 」に、高機能&低価格(無料期間も長い)で有名な音楽編集ソフトの REAPER に内蔵しているVSTでエフェクトをかけてみました
サンプルはドラム・ベース・ギターのみの構成です。使用ソフトもタイトル通り二つだけ。
※ MT Power DrumKit 2 のインストールや使い方は過去記事 ⇒🔗ドラムのVST、MT Power Drum Kit 2 を Reaper で使ってみる にあります。
REAPER用演奏データのDownload 先は ⇒ 💾dp_3piece_MT_PowerDrumKit_&_ReaSynth_2017.rpp です。右クリックから保存して REAPER に読み込んで使用します。
上記のファイルで実際に動かした動画はこちらです。↓
キック二種類・スネア四種類のトラックを作って手動で切り替えています。
「M」ボタンを押して鳴らし分けられます。
「FX」ボタンを押して設定内容を見て、自分でもツマミを動かしてみるとすぐ理解できるかと思います。
※「M」は消音・Muteの略。「FX」は効果・Effectsの発音エフェクツから転じてエフエクス → fxという語呂合わせ。
聞き比べてすぐ分かる通り、「サイドチェイン」や「MIDIゲート」「ゲートコンプレッサー」によるリヴァーブ残響成分の長さ調節とイコライザーで全く印象の異なる “ 鳴り” になっています。
ゲートリヴァーブの設定方法
1)初めに音源を調整
ゲートで切るには切りたくなるほど余韻の長い音源が必要となりますので、ザァァーーとかスパァァァンという長い残響を持つスネアを作ります。
下図ではREAPERに付属のサチュレーターの「JS: Graphical Dynamic Waveshaper」やリヴァーブの「VST: ReaVerbate 」を使って音を延ばしています。
リヴァーブを強めにかけて残響をグワーンと鳴らしたり、スナッピーをジャーラジャラ利かせたWAVを用意したり、ディストーションやコンプをかけて減衰を持ち上げたり、全く別のシンセ音源でノイズを同時に鳴らしたりと、アイデア次第のお好みでOK。
注意点としては、ずーっと鳴ってることが多いものなので聞き飽きないものがいいと思います。
2)ゲートで音を切ります
タイプA)MIDIゲート
MIDIノートON、鍵盤を押さえている間だけスネアのヴォリウムを開放する手法です。
打ち込んだ音符の長さで完璧に制御できるのでオススメ。
ただし、連打した時の聞こえ方が後述する方法とは異なるので留意。
データに問題?がある時
「MIDIゲート」は音符がONの間だけ音を通すことで長さを調節してリズムのノリを作りますが、MIDI楽譜データの作成者によってはドラムやパーカッションを一瞬しか鳴らしてなかったり NoteOff を送信してこないMIDIデータもあるので、その時はMIDI Note OFFが無くても似た効果が出せるゲートコンプに乗り換えるか元データの音長自体を手動で調整します。
余談ですが、DAWで打ち込むときにリズム譜表示が好きではありません。
音符で長さを表現できる状態で打ち込んだほうがイメージが湧くので好きです。というかMIDIゲートを使うなら下図の表示モード(Rectangles)にしておかないと困ります。
音源によっては長さを調節できないシンバルも、気持ち的に「次の小節の頭まで」「小節の二拍前でミュートしたつもり」という違いはあるでしょうし音符の長さに反映させておくのがいいかなーと思います。
タイプB)コンプ・ゲート
生音の大きさがある程度小さくなったらバッサリと門(ゲート)を閉じるように音を止める手法です。音を切るポイントはスレッショルドレベルの数値やゲート開放からの経過時間(Hold)で。
サイドチェインの設定方法
このページのサンプルで使っているベースギター(のつもり)を例に解説します。
ベースギターのステレオ音声の通り道であるMain Input(= 1chと2ch)以外にAuxiliary Input(外部追加入力)として3chと4chを別に準備してあげるのがキモです。
その追加したところに音量制御の参考にするドラムのキックを流し、コンプレッサーでベースギターの音を大小してもらいます。
実際の配線手順は下図のとおりです。
レシーブトラックが追加されたら下図のようにチャンネルを変更しておきます。
上記の変更をしないで1ch2chのままだとドラムキックの生音がそのままベースギターのトラックにも流れてしまいます。
※上記ではレシーブするベースギター視点からの手順で書いています。結果的には同じことを、ドラムキックのルーティング設定画面からセンドを設定して送ってもまったく同じ結果を得ることが出来ます。送り側・受け側から見たかの違いだけです。
今回はコンプレッサーで音量を自動制御したいのでREAPERに付属している「 ReaComp (Cockos) 」というエフェクターをベースのFXに読み込んで置きます。
一見めんどうそうですが、図の通りに一度やってしまえばナールホドとなると思います。
REAPERでたった8小節のサンプルを作るのに難儀した件
一年ぶりの更新です。去年のうちに下書きとかいろいろ用意していたのですが、遅れた主な理由は、ファイルを配布しても同じVST音源が無ければちゃんと再生できないのでどうしたらいいか困ってしまったからです。
REAPER はDAWとして素晴らしいのですが、付属しているVSTでサクッと使える豪華な音源がありません。(その代わり安くて超高機能)
外部ファイルを使わないシバリプレイでWAVも使えないので大変です。
🎸 どうにか REAPER に内蔵されている ReaSynth でギターっぽい音をでっちあげました。フィルターが無いので JS:Wah-Wah との組み合わせでなんとか誤魔化しました。満足とは程遠いですがご容赦をば。
ギターリフは超てきとーな指癖フレーズで、実機もMIDIギターも使わずPCのキーボードだけでポチポチ打ち込んだものです。
いちおう脳内で「ここは親指カスってハーモニクス出るだろうな。」などと自分の手クセを考慮しています。ビブラートは左手の感覚と実音が一致しないのでもっと試作しないと駄目っぽいです。
・ベースはすがすがしいほど棒弾きです。サイドチェインの実験用であり、動くと効果が分かりにくいので。
・ドラムは始めの4小節は MT Power DrumKit 2 に内蔵のパターンで、後半のは自作の手打ちです。
MIDIエディタで見るとかなりグリッドからずれているのが分かると思います。クォンタイズすると台無しになります。これも脳内で演奏しているのを思い出しながらポチポチ打ち込んだものです。